ソウタとマリ
遠距離恋愛 / 東京駅
ソウタ(25) 東京でメーカー勤務。
マリ(24) 大阪で看護師。ソウタとは大学の同級生。卒業後、遠距離に。
マリ(24) 大阪で看護師。ソウタとは大学の同級生。卒業後、遠距離に。
新幹線が東京駅に着く。マリはホームに降りた。人混みの中、ソウタを探す。
いた。改札の向こうで手を振っている。マリも手を振り返す。走りたかったけど、荷物が重くて歩いた。
「久しぶり」とソウタが言う。1ヶ月ぶり。
「うん」とマリは言う。本当はもっと色々言いたかったけど、言葉が出てこなかった。
荷物を預けて、街に出る。どこに行く? 決めてなかった。決めなくてもいいと思っていた。一緒にいられれば、どこでもいい。
結局、近くのカフェに入った。向かい合って座る。コーヒーを頼む。
「仕事どう?」とソウタが聞く。
「忙しい。でも楽しい」とマリが答える。
「こっちも」とソウタが言う。
話すことはたくさんあるはずなのに、うまく出てこない。1ヶ月分の出来事を1日で話すのは難しい。LINEで話したこともあるし、話してないこともある。何から話せばいいか分からない。
沈黙。でも、気まずくない。向かい合っているだけで、なんか落ち着く。
夕方になる。夜ご飯を食べる。映画を見る。街を歩く。時間が早く過ぎる。
夜。マリは泊まるホテルに向かう。ソウタは途中まで送る。
「また来月ね」とマリが言う。
「うん」とソウタが言う。
手を振って別れる。振り返らないって決めていたのに、振り返ってしまった。ソウタも振り返っていた。
ホテルの部屋で、マリはベッドに倒れ込んだ。来月が遠い。でも、また会える。それだけを支えに、明日の新幹線で大阪に帰る。