タクミとリコ
幼馴染 / 地元の神社
タクミ(24) 地元で公務員。リコとは保育園からの付き合い。
リコ(24) 東京で働いている。正月に帰省中。
リコ(24) 東京で働いている。正月に帰省中。
「初詣、一緒に行かない?」とリコからLINEが来た。
毎年恒例だった。小学生の頃から、正月はリコと神社に行く。今年も、当然のように誘われた。
1月2日。神社の前で待ち合わせ。リコが来る。東京で垢抜けたな、とタクミは思った。
「あけおめ」とリコが言う。
「おめ」とタクミが返す。いつもの調子。
参拝して、おみくじを引く。タクミは小吉。リコは大吉。「やった」とリコが喜ぶ。タクミは「いいな」と言った。
屋台で甘酒を買う。ベンチに座って飲む。息が白い。
「東京どう?」とタクミが聞く。
「楽しいけど疲れる」とリコが答える。「こっち帰ってくると落ち着く」
タクミは「そっか」と言った。リコが帰ってくると嬉しい。でも、また東京に戻っていく。
「タクミは変わらないね」とリコが言う。
「悪い意味?」
「ううん、いい意味」
リコが笑う。その笑顔を見て、タクミは気づいた。ああ、俺、こいつのこと好きなのかもしれない。
でも、言わなかった。言ったら、この関係が壊れる気がした。
「また夏帰ってくるね」とリコが言う。
「うん」とタクミが答える。
帰り道、別れる。「じゃあね」と手を振る。タクミは振り返した。リコは振り返らなかった。
夏まで、半年。長いな、とタクミは思った。