アキラとメイ
年の差15歳 / 美術館
アキラ(45) 大学教授。独身。
メイ(30) 出版社勤務。アキラの本の担当編集者として出会った。
メイ(30) 出版社勤務。アキラの本の担当編集者として出会った。
仕事の打ち合わせで何度も会ううちに、距離が縮まった。今日は休日。プライベートで会うのは初めて。
美術館を選んだ。アキラの提案。静かで、ゆっくり話せる場所。
入口で待ち合わせ。メイが来る。私服のメイを見るのは初めて。なんか新鮮だ。
「先生、お待たせしました」とメイが言う。
「今日は先生じゃなくていいよ」とアキラが言う。
「じゃあ、アキラさん」とメイが言い直す。少し照れている。
展示を見て回る。アキラが解説する。メイが質問する。仕事の時と似ているけど、空気が違う。
途中、他の客とすれ違う。親子に見られているんじゃないか、とアキラは思った。15歳差。気にしないつもりでも、やっぱり気になる。
カフェで休憩。向かい合って座る。
「こうやって会うの、変ですか?」とメイが聞いた。
アキラは少し考えた。「変かどうかは、俺たちが決めることじゃないかな」
「そうですね」とメイが少し笑った。
帰り道、美術館を出る。夕日が眩しい。
「また来たいです」とメイが言った。
「じゃあ、また行こう」とアキラが答えた。
周りの目は気になる。でも、目の前にいる人の方が、ずっと大事だ。そう思えるようになるまで、45年かかった。