ユウマとヒナ
同窓会後 / 居酒屋の二次会
ユウマ(28) メーカー勤務。高校時代はヒナと同じクラスだった。
ヒナ(28) 美容師。高校時代は目立たない存在だった。
ヒナ(28) 美容師。高校時代は目立たない存在だった。
10年ぶりの同窓会。ユウマは正直、乗り気じゃなかった。でも、幹事に押されて参加した。
会場に着く。知った顔がたくさん。みんな変わっていた。太った奴、禿げた奴、綺麗になった奴。
「ユウマ?」と声をかけられた。振り返る。
誰だっけ。一瞬分からなかった。「えっと……」
「ヒナだよ、覚えてない?」
ヒナ。同じクラスだった。地味な子だった記憶がある。でも目の前にいる人は、全然違った。
「変わったね」とユウマが言った。
「そう?」とヒナが笑った。
一次会が終わって、二次会。自然とヒナの隣に座っていた。
「高校の時、話したことなかったよね」とヒナが言う。
「うん、俺、サッカー部だったし」
「私、帰宅部だったし」
二人で笑った。10年前は交わらなかった線が、今交わっている。
「今、何してるの?」とユウマが聞く。
「美容師。自分の店持つのが夢」とヒナが答える。
「すごいじゃん」
話していて楽しかった。高校の時、話しておけばよかった、と思った。
二次会が終わる。外に出る。
「連絡先、交換しない?」とユウマが言った。自分でも驚くくらい、自然に出た言葉だった。
「いいよ」とヒナがスマホを取り出した。
LINEを交換して、別れた。10年経って、やっと話せた。遅すぎたかもしれない。でも、遅すぎることなんてないのかもしれない。