イッセイとノゾミ
交際5年目 / ディズニーシー
イッセイ(30) 商社勤務。ポケットに指輪を忍ばせている。
ノゾミ(28) 小学校教師。イッセイと同棲中。
ノゾミ(28) 小学校教師。イッセイと同棲中。
今日、プロポーズするつもりだった。
ディズニーシー。ノゾミが大好きな場所。5年前、初めてのデートもここだった。
朝から回る。アトラクション、ショー、食事。イッセイはずっとポケットの中の箱を気にしていた。
「どうしたの? 落ち着かないね」とノゾミが言う。
「いや、別に」とイッセイが答える。バレてるかもしれない。
夕方、パーク内を歩く。そろそろいい場所を探さないと。花火が上がる前に言いたい。
でも、なかなかタイミングがない。人が多い。騒がしい。
結局、花火が始まってしまった。空にカラフルな光が広がる。
ノゾミが空を見上げている。イッセイは隣で見つめていた。
もういいや。完璧じゃなくても。
「ノゾミ」
「ん?」
花火の音がうるさい。でも、言った。
「結婚しよう」
ノゾミは一瞬固まった。それから、目が潤んだ。
「……うん」
周りの人は誰も気づいていない。みんな空を見ている。その中で、二人だけがお互いを見ていた。
イッセイはポケットから箱を取り出した。開けて、指輪を見せた。
ノゾミは泣いていた。でも笑っていた。
花火が終わる。拍手が起きる。
二人は手を繋いで歩き出した。帰り道、ノゾミはずっと左手を見ていた。