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2026.01.31

カイトとユキナ

傘を返す日 / 会社のエントランス

カイト(27) 営業部。先週、雨の日にユキナから傘を借りた。
ユキナ(25) 経理部。カイトとは顔見知り程度の関係。

先週の金曜日、急に雨が降った。傘を持っていなかった。

エントランスで途方に暮れていると、声をかけられた。

「傘、使いますか?」

経理部のユキナだった。名前は知っていた。でも、話したことはほとんどなかった。

「いいんですか?」

「私、折りたたみ持ってるので」

ありがたく借りた。ビニール傘。でも、なんか特別に見えた。

月曜日。傘を返すために経理部に行った。

「先週はありがとうございました」

「いえいえ、役に立ってよかったです」とユキナが笑った。

それだけで終わるはずだった。でも、なぜか話が続いた。週末の話。天気の話。仕事の話。

「良かったら、お礼にランチでも」と言っていた。自分でも驚いた。

ユキナは少し考えて、「いいですよ」と答えた。

金曜日、一緒にランチに行った。近くのパスタ屋。話してみると、共通点が多かった。出身地が近い。好きな映画が同じ。

「もっと早く話せばよかったですね」とユキナが言った。

「本当ですね」とカイトが答えた。

ランチの後、「また行きましょう」と約束した。

雨の日に声をかけてくれて、本当によかった。カイトはそう思った。

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