セイヤとアンナ
留学先 / バルセロナのカフェ
セイヤ(22) 日本からの留学生。スペイン語は初級レベル。
アンナ(21) スペイン人。日本のアニメが好きで、日本語を勉強中。
アンナ(21) スペイン人。日本のアニメが好きで、日本語を勉強中。
バルセロナに来て3週間。まだスペイン語がうまく話せない。
大学近くのカフェ。一人でコーヒーを飲んでいた。隣のテーブルに女の子が座った。
彼女はノートに何か書いていた。日本語だった。ひらがな、カタカナ、漢字。
「日本語、勉強してるの?」とセイヤは英語で話しかけた。
彼女は驚いた顔をした。「あなた、日本人?」と下手な日本語で返してきた。
「そう」とセイヤは笑った。
それから、話し始めた。セイヤは拙いスペイン語で。アンナは拙い日本語で。通じないところは英語で補った。
「なんで日本語勉強してるの?」
「アニメが好き。字幕なしで見たい」
「どのアニメ?」
「ナルト。ワンピース。最近は、進撃の巨人」
セイヤは嬉しくなった。共通の話題がある。
1時間くらい話した。文法がめちゃくちゃでも、なんとなく通じた。言葉より、笑顔や表情で伝わるものがあった。
「また会える?」とセイヤが聞いた。
「もちろん」とアンナが答えた。
連絡先を交換した。
帰り道、セイヤは思った。言葉が通じなくても、繋がれる人がいる。留学に来てよかった。