コウジとアスカ
バイト最終日 / 居酒屋のバックヤード
コウジ(22) 大学4年生。来月卒業でバイトを辞める。
アスカ(20) 大学2年生。コウジが入った時から一緒に働いている。
アスカ(20) 大学2年生。コウジが入った時から一緒に働いている。
今日が、バイト最終日。
居酒屋で2年間働いた。楽しかった。特に、アスカと一緒のシフトの日は。
閉店後、片付けをしながらアスカが言った。「コウジさん、今日で最後なんですね」
「うん、寂しいな」とコウジが答えた。
「私も寂しいです」
バックヤードで休憩している時、二人きりになった。
「就職、どこになったんですか?」とアスカが聞く。
「メーカー。大阪勤務」
「大阪……遠いですね」
「うん」
沈黙。言いたいことがある。でも、言えない。
「あの、コウジさん」
「ん?」
「連絡先、交換してもいいですか?」
コウジは少し驚いた。そして、嬉しかった。「もちろん」
LINEを交換する。今まで交換してなかったのが不思議だった。
「大阪行っても、連絡してください」とアスカが言った。
「するよ」とコウジが答えた。
本当は、もっと言いたいことがあった。でも、今言うのは違う気がした。
店を出る。「またね」と手を振る。アスカも手を振った。
大阪に行く前に、一度会おう。そう決めた。その時こそ、ちゃんと言おう。