ツバサとアオイ
SNSで知り合い / 本屋のカフェ
ツバサ(25) 小説を書いている。Twitterで創作仲間と繋がっている。
アオイ(24) 読書好き。ツバサの小説のファン。DMで感想を送ったのがきっかけ。
アオイ(24) 読書好き。ツバサの小説のファン。DMで感想を送ったのがきっかけ。
半年間、DMでやり取りしてきた。文章だけの関係。顔も声も知らない。
「会ってみませんか」とアオイが提案してきた。ツバサは少し迷った。でも、会いたかった。
待ち合わせは本屋のカフェ。ツバサは本を持っていく約束をした。目印になるように。
席で待つ。緊張する。文章では色々話したのに、実際会ったら何を話せばいいんだろう。
入ってくる人を見る。あの人かな。違う。あの人かな。違う。
一人の女性がこちらに向かってくる。目が合う。手を振っている。
「ツバサさん?」
「アオイさん」
向かい合って座る。沈黙。気まずい。
「なんか、変な感じですね」とアオイが笑った。
「うん、ずっと知ってる人なのに、初めて会う感じ」
「分かります」
話し始めると、止まらなかった。DMで話したこと。話せなかったこと。好きな本の話。将来の話。
「ツバサさんの文章、本当に好きなんです」とアオイが言った。
ツバサは照れた。「ありがとう。でも、実物はこんなんだよ」
「こんなんって、どんなん」
「地味で、根暗で」
「そんなことないですよ」とアオイが笑った。「想像通りでした」
「それ、褒めてる?」
「褒めてます」
3時間くらい話した。帰り道、駅まで一緒に歩いた。
「また会いたいです」とアオイが言った。
「俺も」とツバサが答えた。
文章で繋がった人と、現実で繋がった。なんか不思議だった。でも、嬉しかった。