サトルとナオ
お見合い / 料亭
サトル(35) 医師。親からの圧力でお見合いすることに。
ナオ(32) 薬剤師。同じく親に勧められて参加。
ナオ(32) 薬剤師。同じく親に勧められて参加。
お見合いなんて古い。そう思っていた。
でも、35歳。結婚の予定なし。親からの圧力に負けて、仕方なく参加することにした。
料亭の個室。親と一緒に座っている。向かいに相手が来る。
ナオ。32歳。薬剤師。釣り書きは読んでいた。
「初めまして」と挨拶を交わす。形式的。堅苦しい。
親同士が話している間、二人は静かに座っていた。
「お見合い、初めてですか?」とサトルが小声で聞いた。
「はい。サトルさんは?」
「僕も」
「緊張しますね」
「しますね」
少しだけ空気が和らいだ。
食事が終わり、親が席を外した。「二人で話してきなさい」と。
庭園を歩く。二人きり。やっと本音で話せる。
「正直、乗り気じゃなかったんです」とサトルが言った。
「私も」とナオが笑った。「親がうるさくて」
「分かります」
「でも、来てみたら……」とナオが言葉を切った。
「悪くなかった?」とサトルが続けた。
「はい」
サトルも同じことを思っていた。
「また、会いませんか?」とサトルが言った。「今度は、二人だけで」
ナオは少し考えて、「いいですよ」と答えた。
お見合いなんて古いと思っていた。でも、きっかけは何でもいいのかもしれない。